平成27年度分の「公募型補助金」に基づく事業の報告会が開催されました(4/23)【前半分】

古賀という公共空間を豊かにするために、行政が直接行うよりは、民間が公益性をもって取り組んだほうがよさそうなときに使われる道具「補助金」。

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もちろん「補助金」を使わなくても、社会にイイコトは、私たち古賀に暮らす人々が一人づつ行えることもあるわけですけれど、ちょっと気合を入れて取り組む基盤づくりができるという意味では、うまく使いこなせば公共空間全体を豊かなものにしていくことができます。

そのために、古賀市役所さんも「公募型補助金」という制度を作って、必要に応じて「補助金」を出しながら、公共空間を豊かにしてくれる仲間を育てるとともに、行政だけでは行き届かない公共サービスの充実へ向けて、担い手の裾野づくりに力を入れています。

これに応えて、公益性ある事業を作って応募したいろいろな市内の団体さんが、それぞれの特色を生かしていろんな活動を展開してきていますが、4月23日にそのうち8団体さんが平成27年度分の取り組みをプレゼン形式で報告してくださいました。

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会場は、各団体さんのメンバーさん(プレゼンしないけど応援に)や、今回はプレゼンしなかったけどいずれプレゼンする団体さん(「古賀すたいる」含む)、それにこれから応募して古賀に暮らす方々のためになんかしようかなとおもっている方々など、多くの方々が集まっていました。

この記事では、プレゼンに臨まれた8団体のうち、前半4団体さん分のお話を伺っての「古賀すたいる」の感想をご紹介♪

(ちなみに、開催前にご紹介した8団体さんについての記事もあわせてどうぞ。)

古賀市民オーケストラ【定期演奏会】

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長らく古賀で管弦楽団として研鑽活動・普及活動を行う「古賀市民オーケストラ」のみなさん。

少しでも市民の方々に管弦楽の楽しみを伝えるべく、800席の中央公民館大ホールを会場に、クラシック音楽を多くの方に届けるために補助金を活用して演奏会を実施されておられました。

音楽には、お金がかかります。

楽器・楽譜・衣装…。騒音として迷惑にならなように防音設備のある部屋を練習場所にしないといけません。指導してくださる方にもお謝金が発生します。

自分の練習時間を、プライベートの時間を削って確保しないといけません。その時間に勉強や仕事をしたら、どれだけ自分の暮らしの水準はあがるでしょう…。

趣味だの道楽だのといわれつつも、音楽を通じて古賀の街の魅力を高めたい。音楽を通じて多くの人に古賀で過ごしてよかったと思ってもらいたい。

オーケストラの規模や水準から、その街の文化レベルを推し量ることができるという意味で、「オーケストラは街の文化のバロメーター」という言葉もあります。

そうした思いのなか、オーケストラがもたらす公共性・公益性を願って、古賀市役所さんが「古賀市民オーケストラ」のみなさんの提案に対し、補助金を出して開催を支えた演奏会。

当日の報告では、補助金があったからこそできた地道な練習の蓄積とその成果を発表できたことや、大ホールならではの照明・音響・冷暖房ならではの付帯設備も活用した響きあう演奏・魅力ある演奏を来場者の方に伝えられたことへの感謝の念が伝えられ、また今後も継続して演奏会を開催したいとの抱負が伝えられました。

特定非営利活動法人古賀市文化協会【夏休みこども体験教室】

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邦楽や日本舞踊、音楽・絵画・写真・書道はては暮らしまで、いろいろな学びを求めて集ったりする方々や、それらの学びを紡ぎ伝える方々が集まって、一つのよりどころを作ってできた団体「古賀市文化協会」のみなさん。

自分自身と向き合い、「芸」「美」へと昇華していくとともに、次なる担い手に地道に継承していく活動を続けておられますが、どうもさらなる未来の担い手にイマイチ伝え切れていない…というお悩みも常々。そして、未来の担い手たる古賀の子どもたちが、どうやらそもそも学校の美術等の授業数の減少や、長期休暇の時には居場所すらないみたい…ということで、「いっちょやったろか!」と腕まくりしながらチャレンジしたのがこの【夏休みこども体験教室】。

夏休みを舞台に、平日の昼間の時間帯に古賀の子どもたちの居場所を作りたい。
そして、その子どもたちに平素から自分たちがたしなむ文化芸術を愛する心を伝えたい。
いずれは、この夏休みの思い出をもとに、文化芸術の次世代の担い手として活躍してもらいたい。

そんな熱い期待を胸に、平成27年度は27もの充実した講座群を。

平成26年度には約400名、平成27年度には約700名の子どもたちが参加し、講座によってはキャンセル待ちやお断りをした講座もあったとのこと。27も講座メニューを用意した中では、慣れ・不慣れの差によって、1人だけで開催された講座もあったようですが、先生と1対1で向き合い、声高らかに芸に向き合うその姿を見ると、それはそれで豊かな文化芸術の継承の場になってよかったと喜んでおられました。

文化芸術の継承にはいろいろな難題もありますが、引き続き文化芸術を愛する仲間を増やしてがんばりますと熱い抱負を語られていました。

古賀市「第九」実行委員会【古賀市「第九」演奏会】

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古賀の冬の風物詩のひとつとして続けられている、第九の演奏会。

平成27年度は、会場に鑑賞に訪れた人は約500名。ステージの上で演奏や合唱に参加したのは、上述の「古賀市民オーケストラ」のみなさんや一般公募の合唱団のみなさんなど約150名。さらにいえばステージ裏や受付などで支えている方々、それに、要所を締めるプロの声楽家のみなさんなど、実に多くの方々が音楽を思い思いの形でつむぎます。

その会場での一体感を味わうべく、古賀市内のみならず県内外からも熱いファンやリピーターが集まってきます。

その12月の一体感が始まるのは、毎年4月から。ステージに上がる合唱団の募集からはじまり、地道な基礎練習、そして他の楽器パートとの呼吸をあわせるための合同練習。そうした地道な練習の積み重ねが、12月に第九として花開きます。

また、平成27年度は、東京などからプロの声楽家の方も招聘し、そのプロと共に演奏する楽しみ/そのプロと共に日ごろの練習の成果を発表する楽しみ/来場者の方とも一体感を共有する楽しみも作り上げることができたとのこと。そうしたことができたのも、総事業費の約6分の1を古賀市が補助金として出して支えてくれたから。

今後も「古賀市に「第九」あり!」と引き続き音楽を楽しむ裾野づくりを続けます!と熱く今後の展望を添えられていました。

古賀市市民劇団DAICOON【演劇ワークショップ「嵐の夜」】

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ステージの上を所狭しと動くダンス、言葉に思いをこめた台詞、古賀ならではの歴史的・地域的な要素を取り入れたストーリー。様々な姿をみせる表情。

そういった様々な要素を組み合わせて表現する芸術・ミュージカル。

子どもから大人までの幅広い世代の劇団員さんたちが、1年をかけて脚本作り・役づくり、そして音源や小道具大道具づくりを積み重ねて届けるステージは、それ自体がドラマです。

とはいえ、舞台をつくるにも練習場所も必要ですし、本番直前には大ホールで距離感をつかんでおく必要も。情景をより深く観客に伝えるための道具たちも、手作りとはいえその材料費なんかも必要です。

といいつつも、役になりきって舞台のうえで多様な表現を重ね、観客に伝えきるという体験や、自分ひとりの生活の中では描かない表現をミュージカルの上で体験することで、劇団の一人ひとりが達成感や新たな自分との発見を楽しみます。

そして、舞台の上を共有する、幅広い世代の劇団員たち。さらにいえば古賀を舞台にしたストーリーを古賀のホールで共有する観客のみなさんが、いろいろな発見を楽しみ、「古賀にすんでよかった」「古賀に暮らしてよかった」と実感できる日が、このミュージカルの公演日に凝縮されています。

特に平成27年度の公演は、ストーリー上に不登校と防災のエッセンスが。日ごろ気づけない場面がミュージカルのストーリー上に出ることで、観客の皆さんにも多様な想像として醸し出されたはず。

古賀市市民劇団DAICOONが、その前身を含めミュージカルを始めるようになってもうすぐ約10年。年を重ねるごとに表現力があがる役者さんもいれば、いったん学校の卒業と共に劇団も卒業して次の人生上の舞台に移る子どもたちの姿もあれば、数年のブランクを経て劇団に帰ってきて人生経験をもとにあらたな表現を実践する劇団員さんの姿もあるそうで、大ホールの舞台だけではなく古賀全体をステージに活動の広がりと奥行きが広がってきているようです。

残る4団体さんは後編の記事で!

今回のレポートした前半分4団体さんもそうですが、今回はプレゼンの出番がなかった団体さんも含め全体的にいえることは、私たちが古賀市に納めた税金が、形をかえてこれらの団体さんの展開に補助金として輸血のように活用されていったことで、行政さんの確実かつ公平性最優先の取り組みだけではなく、かゆいところに手が届く的な、民間非営利団体ならではの取り組みが増えて「古賀市域という公共空間」がなんか楽しくなった気がします。

今回の報告会を主催した市役所の財政課さんによれば、今後も募集を行ってステキな企画が出てくるのを楽しみにしているとともに、これまでの成果を踏まえてよりいい感じのものに制度自体をバージョンアップさせたいと市役所としての抱負も語っておられました。

各団体さんの展開と、その活躍の舞台を整えてくれる市役所さんの展開が、これからも楽しみですね!

【記事を書いた人】
千鳥足 大人の事情で、顔出しNGでしたが、いったん解禁しました。けど気が変わってやっぱり顔出しNGに戻る。 徳島県生まれ・福井県育ち。幼稚園から高校まで古賀にいたあと、茨城とか東京とか長崎とかで過ごしたのちに古賀にUターン。 趣味: 読書。遠藤周作とか吉村昭とか阿川弘之・阿川佐和子とかが好き。 お酒飲むのも大好き。

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